Farz は Applied Intuition の2人目のエンジニアで、その後、同社が2兆3000億円規模の評価額まで成長する中で Head of Engineering を務めた。それ以前は Google[x] で働き、自動運転車開発の初期に Waymo でソフトウェアチームを率いていた。

Farz は、自分のキャリアを完全に計画してきたものだとは語らない。そこにあるのは、何年もかけて築いた人間関係、人に見返りを求めず手を貸すこと、好奇心を持ち続けること、そして連絡を取り続けることの積み重ねだ。
Applied Intuition への道は、友人の友人から始まった。2011年、Google で働いていた頃、Farz はある人のサイドプロジェクトを無償で手伝った。
「2011年に、彼を手伝おうと決めたんです。報酬はゼロドル。Google で働きながら、空いた時間で手伝っていました。彼はその前からも、その後も僕のことを知っていました。当時、もし『彼がいつか会社での仕事につなげてくれると思うか』と聞かれていたら、僕はノーと答えていたと思います。ただ別の理由で彼と話していただけでした。」
何年も後、その同じ人物が Farz を Applied Intuition の CEO、Qasar Younis に紹介した。
Farz は、2人が知り合いだったことを知らなかった。2人が一緒にベイエリアまで車で行ったことも知らなかった。何年も前の無償のサイドプロジェクトが、最終的に Silicon Valley で最も重要な自動車ソフトウェア企業の創業者の前に自分を連れていくことになるとは知らなかった。
彼は Applied Intuition に2人目のエンジニアとして入社した。
Waymo で、Farz はハードウェア側のソフトウェアを率いていた。物理部品を製造し、テストし、車両に取り付け、サプライチェーン上で追跡するためのチームだった。それはエンジニアリングの中でも特に難しい交差点だった。まったく違うスピードで動く2つの分野が、同じものを一緒に作ろうとしていた。
「ソフトウェアでは、1つで動けば、10億でも動かせます。ハードウェアはまったく違います。1個作るのと、10個作るのと、100個作るのと、1000個作るのは、どれもまったく別の問題です。リードタイムもコストもはるかに大きくなります。」
エンジニアはそれをインピーダンスミスマッチと呼ぶ。ソフトウェアとハードウェアがぶつかる場所では、その間にいる人たちは、ペースの合わない2つのものの間に挟まれる。
「モーターの付いた歯車を想像してください。片方はもう片方の2倍の速さで回りたい。その歯車が接するところでは、必ず問題が起きます。」
それは思いがけない形で現れる。Glass では、ソフトウェアチームが lookup gesture の意味を何度も変えていた。角度、スピード、全部だ。製造ラインには、そのジェスチャーが正しく機能するかをテストする物理デバイスがあった。ファームウェアスタックの誰かが、その定義を少し変えるたびに、誰にも伝えないまま、テストが壊れた。最初はみんなハードウェアを疑って慌てる。ハードウェア側の人たちは、何も問題はないと言う。最終的には、スタックの真ん中で1行だけ変えた人を見つけることになる。
「彼は『でも、これで良くなったんです』と言いました。そうですか。製造ラインでこれをチェックしていることは知っていましたか、と聞いたら、彼は『いいえ、なんでそんなことをするんですか?それは変ですよ』と言いました。」
誰かが完全に間違っていたわけではなかった。ただ、それぞれがまったく違う世界で、まったく違う前提を持って動いていただけだった。そのギャップをうまく渡れる人は少ない。両方の世界を十分に理解し、その間を翻訳できて、どこで壊れるかを壊れる前に見抜ける必要がある。
Farz は Applied Intuition で Rise と知り合った。Rise は同社の大口顧客のいくつかを担当し、顧客関係を率いていた。2人は何度も一緒に仕事をし、その後も連絡を取り続ける関係になった。
Farz が関心を持ち続けた理由は、単なるプロとしての尊敬だけではなかった。Rise が奇妙に聞こえることを言い、それが後から本当だとわかることが何度もあったからだ。
「彼は日本の住宅市場について話していました。日本では築20年の家を取り壊すことがある、と。California では、僕の家は70年代のもので、それでも比較的新しい方です。彼は日本について変なことを言うんです。それを後で調べると、ああ、本当にそうなんだと思う。僕たちは3ヶ月から6ヶ月に一度くらい連絡を取り続けていました。全員と連絡を取り続けるわけではありません。でも Rise はいつも面白かった。」
その流れは、Rise の次のプロジェクトにも続いた。住宅設計、そして不動産管理ソフトウェア、そして樹林AI。数ヶ月ごとに、Farz は Rise が何に取り組んでいるのかを聞いた。毎回、調べれば調べるほど筋が通って見えた。
彼は、欧米企業が日本の顧客にどう向き合うかを間近で見ていた。完成したプロダクトを持ってきて、柔軟性はなく、これを使うか使わないか、という姿勢だ。一方で Applied Intuition では、相手の話を聞き、適応していく姿勢を見た。積層された高速道路や、米国では誰も考えたことのないようなエッジケースについて質問した。日本の OEM はそれに気づいていた。
「日本の顧客は、他のソフトウェア提供会社と比べて、僕たちの姿勢を評価してくれました。普通、米国企業はプロダクトを作り切った後に日本へ行きます。『これがソフトウェアです。あとは自分たちでどうにかしてください』という感じです。僕たちは彼らともっと双方向にやり取りしていました。」
そして Farz が Rise の樹林AI を見たとき、日本市場に後付けで合わせたものではなく、最初から日本市場のために作られたプロダクトであり、深い顧客関係があり、日本で実際にビジネスが動く仕組みに合わせた Go-to-market があることがわかった。その会社は、彼にとってさらに興味深いものになった。

025年初め、樹林AI の顧客と契約の成長は、エンジニアリングチームが支えられるスピードを超え始めていた。
「Rise は CEO と CTO の両方をやろうとしていて、眠れていませんでした。」
Rise が最初に連絡してきたとき、Farz の妻は妊娠6ヶ月だった。スタートアップにとって一番いらないのは、入って2ヶ月で育休に入る暫定 CTO だと彼はわかっていた。彼は1ヶ月かけて、別の人を探そうとした。うまくいかなかった。
だから彼は、自分のスタートアップである SonicInfra を一時停止した。
「僕は、暫定 CTO として入って、エンジニアたちと一緒に働き、今のところ君の負荷を下げ、長期的な CTO 採用にももっと関わることができる、と言いました。」
彼はアーキテクチャに入り込み、エンジニアたちとコードベースを見ながら作業し、自分でもコードを書き、プラットフォームのエンジニアリング基盤を大きく作り直す取り組みを率いた。長期的な CTO 探しも引き受け、具体的な採用基準を作り、面接を行い、自分で候補者を評価した。その時期のメモもどこかに残っている。Rise が何を必要としていて、自分が何を探していたのかを記録したものだ。
かなり大変な週もあった。
「その間ずっと樹林と仕事を続けていました。週によっては、何度もエンジニアたちと夜中の2時まで話していて、妻に怒られることもありました。」
長期的な CTO 探しで見ていたのは、ほとんどがプレッシャーの中での信頼性だった。
「言うことは言えるけれど、実際には理解していない CTO はたくさんいます。最新技術を使っています、Web 技術スタックを使っています、などと言う。でもその裏にあることを1つか2つ質問すると、インターネットがどう動いているかも本当は理解していない。もし部屋の中に技術に詳しい顧客がいて、CTO が自分の話していることを理解していないせいで恥をかいたら、顧客を失います。そしてその評判へのダメージは、その1社だけでは終わりません。」
彼が探していたのは、初対面で印象を残せて、その後、契約の何ヶ月、何年にもわたってそれを裏付けられる人だった。
「どちらか片方だけできる人を見つけるのは簡単です。必要なのは、約束を実際に届けられる人です。」
セキュリティもその一部だった。樹林AI は多くの顧客データを扱う。多くのソフトウェア会社以上にそうだ。メール、ドキュメント、顧客との会話、バックエンドシステムを一度にまたぐ場所にあるからだ。
「米国では毎週のように、『あなたのデータがどこかに失われました』というメールが届きます。直接の小売業者ではなく、彼らが信頼した誰かが原因であることが多い。だからプロダクトが良いものになると印象づけることも大事ですが、同時に、そのプロダクトが壊れたり失敗したりしないと印象づけることも大事です。エンタープライズ相手に話しているとき、彼らはたぶん、最初だけ大きなことを言って結局届けられない、ひどいチームやひどいリーダーのソフトウェアを経験してきています。」
Farz が初期のエンジニアたちと働き始めたとき、彼が印象に残ったのは、彼らの学習スピードと、会話と会話の間にこなす仕事量だった。
「火曜日にあることについて話したら、水曜日にはもうかなり進んでいるか、終わっていました。その間、僕は寝ていました。彼らはずっと働いていたんです。学ぶのが早かった。同じことを繰り返し言う必要がありませんでした。」
そのエンジニアたちは今、チームリードになり、自分たちのエンジニアを率いている。チームは2025年初めから大きく成長した。
Farz が入った頃、一部の米国投資家は懐疑的だった。樹林AI は Japan-first で、契約書は日本語で、欧米の VC はそれをどう評価すればいいのかわからなかった。
「Rise は契約を取っていて、LOI も締結していて、トライアルも進んでいました。VC たちは基本的に、これらのトライアルがコンバートしたら3ヶ月から6ヶ月後にまた来てください、あなたたちが届けられるとは信じていません、と言っていました。その多くは西洋的な傲慢さでした。彼らは、より古く、より大きく、より遅く、投資1ドルあたりの成功度では劣る米国の競合に投資していました。」
そこには本物の文化的ギャップもあった。日本では、口頭での握手が、評判への信頼をもとに数億円規模の取引につながることがある。実印付きの契約書は非常に重い意味を持つ。米国では、契約の証明は相手が支払うかどうかだ。
「僕たちは DocuSign して、その人が支払ってくれることを願います。それが契約の証明です。」
VC たちは、日本のエンタープライズのシグナルを欧米のレンズで読んでいた。
Farz には違って見えていた。当時、樹林AI はまず不動産管理会社に販売していた。Farz は不動産管理会社を知っていた。その課題も知っていた。
「不動産管理会社は本当に整理されていなくて、彼ら向けに樹林のようなものはほとんどありません。彼らはいつも、2つか3つの違うソフトウェア、メール、チケット、バーチャル電話番号、WhatsApp を組み合わせようとしています。そしてどのシステムもつながっていない。同じ入居者から、同じ問題についてテキストとメールが来る。それは同じ問題なのか。樹林がそれを全部 AI と一緒に1つの場所にまとめることで、入居者はとても早く返信をもらえるので助かります。大家も助かります。夜中の2時に起きて、ただ部屋番号を確認する必要がなくなるからです。」
さらに大きな構図に、彼はもっと興奮していた。
「カスタマーサポートには、ずっと階層がありました。Tier 1 は最初に話す相手。Tier 2 は、その人が解決できなかったときの引き継ぎ先。Tier 3 では、その問題を起こしたシステムを設計したソフトウェアエンジニアと話すことになります。これは、その前に Tier 0 を追加するものです。本当に誰かと話す必要があるのか、という層です。」
それが、その仕事をしている人たちに何を変えるのかは、彼にとって個人的にも大切なことだった。
「カスタマーサポートからロボットっぽさを取り出して、ロボットに渡せば、人は人でいられます。今は人に「考えるな、ルールに従え」と言っているようなものです。だから人はショートし、自分で考えられることを忘れてしまう。AI がロボットにできることを処理すれば、人間にはもっと面白く、創造的な仕事が残ります。ロボットにできることなら、もうロボットがやっているはずだからです。
」
3つのことが揃っていなければならない。
「自分が存在してほしいと思うプロダクト、そのプロダクトを欲しがる市場、そして一緒に働きたい創業チーム。特に初期は、1日のかなり多くの時間を一緒に働くことになります。相手が面倒だったり感情的だったりすれば、それはすぐにわかります。」
彼は、その3つ目が欠けたときに何が起きるかも見てきた。友人のスタートアップには、顧客からのネガティブなフィードバックを受け止められない CTO がいた。悪い週があるたびに、これは絶対にうまくいかない、顧客なんて取れない、無理だ、無理だ、無理だ、というスパイラルに入っていた。
「その会社は死にました。プロダクトは良かったし、市場もありました。でもそれは会社にとって自殺でした。」
樹林AI にはその3つがすべてあった。彼が理解し、信じられるプロダクト。現実に存在し、欧米の投資家が過小評価していた市場。そして Rise。何年にもわたり、彼が作り続け、進み続ける姿を見てきた人。日本について奇妙なことを言い、それが後から本当だとわかる人。興味を持ち続ける価値のある人だった。
A product I want to exist, a market that wants the product, and a founding team I want to work with, especially in the early days when you're working way too much of the day together. If they're annoying or emotional, you know that pretty quick.
私たちは採用中です。詳しくはこちらをご覧ください。 jurin.ai/ja/career
樹林AI は、高パフォーマンス企業の中核を担う次世代 AI エージェントを提供しています。当社のテクノロジーは、メール、電話、メッセージングなどのビジネスコミュニケーションと、それに伴うワークフローを自動化し、人と組織の創造性を解き放ちます。
創業僅かで、日本で最も急成長する AI 企業のひとつとして注目を集め、現在は日本、韓国、シンガポールに拠点を展開。アジア太平洋地域全体を、よりエージェンティックで持続可能な未来へと導いています。東京都民の日常生活に関わる主要企業をはじめ、複数の大手企業に導入されており、既存のツールやシステムとシームレスに統合。100以上の言語でタスクを実行し、労働力不足の課題を解決しながら、チームがより戦略的で高付加価値な活動に集中できる環境を支援しています。
メールアドレス
press@jurin.ai