マーカスは樹林AI のソフトウェアエンジニアです。中国で生まれ、2015 年に日本へ移住。会社を共同創業した後、2026 年 1 月に樹林AI へ入社しました。現在は、エンジニアリングとお客様対応、その両方に携わる仕事をしています。それこそが、自分に最も合っている場所だと感じています。

日本へ来る前、マーカスは北京で5年間ソフトウェアエンジニアとして働いていました。
当時一緒に働いていた上司から、「一緒に日本で新しいものを作らないか」と声をかけられます。
「日本へ来る前は、北京で5年間ソフトウェアエンジニアをしていました。前の上司から『日本で働いてみないか』と誘われたんです。それで日本語を勉強して、日本へエンジニアとして来ました。一番大きな理由は、家族にもっと良い生活をさせたかったからです。その頃、ちょうど息子が生まれたばかりでした。」
2015 年に日本へ渡り、2 年後にはスタートアップの創業メンバーになります。
さらに 2 年後には、その会社の CTO に就任しました。
前職は、不動産業界から始まりました。
日本の不動産市場向けに、売り手と買い手をつなぎ、物件探しから契約までを支援するITシステムを開発しました。
その事業を大手企業へ売却した後、チームは次に調剤薬局向けのプロダクトへ挑戦します。
「私たちのシステムがなければ、薬局のスタッフは処方箋の情報をすべて手入力しなければなりません。それには非常に時間がかかりますし、人為的なミスも起こりやすくなります。そこで OCR などのAI技術を活用し、画像から文字を読み取れるようにして、入力作業を効率化するさまざまなAI機能を追加しました。私が樹林AI に入社する頃には、そのシステムを3〜4年間開発し続け、日本でトップシェアになっていました。競合はいませんでした。」
不動産と薬局。
一見すると、まったく共通点のない業界です。
しかしマーカスは、それを問題だとは考えませんでした。
「それがエンジニアとしての自分の強みなのかもしれません。新しいことを受け入れるのが好きなんです。『面白そうだ、やってみよう』と思える。もちろん、新しい業界なので解決しなければならない課題はたくさんありました。でも、その難しさを解決していくこと自体が楽しかったんです。」
二つの業界に共通していたのは、ドメイン知識ではありませんでした。
どちらも伝統的で、変化に慎重で、これまでのやり方を変えることに強い抵抗がある業界だったことです。
マーカスは、その中で今でも使い続けているアプローチを身につけました。
「日本の伝統的な業界は、急な変化を好みません。『全部変えてください』と言えば、それだけで不安になってしまいます。だからまずは、今の業務フローを理解することから始めます。そして、その中で繰り返し発生している作業を見つけて、そこだけを静かにテクノロジーへ置き換えるんです。ステップ1から5まで全部手作業なら、まずステップ2だけを置き換える。次にステップ4。そうやって少しずつ進めれば、最終的には重要な工程が自然と置き換わっていきます。『全部変える必要はありません』と伝えることが、変化を受け入れてもらうための方法なんです。」
さらに、日本市場は他国以上にプロダクトへ高い基準を求めます。
「日本は、他の市場よりもプロダクトの品質や安定性に対する要求が高いです。中国では多少問題が起きても受け入れてもらえることがあります。でも日本では、プロダクトだけではありません。会社としてどう見えるか、どう仕事をするか、そのすべてを見られます。外国人エンジニアとして働くなら、技術以外にも身につけなければならないことがたくさんあります。」
その感覚を身につけるまでには、何年もかかりました。
そして AI ブームが訪れたとき、マーカスはふと考えるようになります。
ここまで積み上げてきた10年間は、本当に次の時代にも通用するのだろうか。
2025年、AIツールはエンジニアの働き方を、無視できないほどの速さで変え始めました。
「去年、AIブームが来ました。新しいAIツールやAIコーディングツールが次々と登場して、エンジニアの仕事のやり方が大きく変わりました。それを見たときに考えたんです。この先10年後も、自分は価値を発揮できるのだろうか。もっと良いキャリアや働き方があるのではないか。そろそろ変わるべき時なのかもしれない、と。」
同じ頃、前職での最後の数か月は、ある種の「罠」の中にいるように感じ始めていました。
「ゲームに出てくる NPC っているじゃないですか。話しかけると『こんにちは。何かご用ですか?』と決まったセリフを話して、選択肢を選ぶと、あらかじめ用意された返事だけを返す存在です。前職での最後の数か月、まさに自分がそんな状態でした。本当に嫌でした。自分で考える力を失ってしまったように感じたんです。」
「NPC とプレイヤーの一番大きな違いは、NPC は決められた場所で、人が話しかけてくるのを待つしかないことです。でもプレイヤーは、ルールの中で自由に世界を探索して、自分を成長させ、自分の考えで行動できます。決められた答えを返すだけではありません。私は最初はプレイヤーでした。でもいつの間にか、普通の NPC ではなく、ベテラン NPC になっていました。知識ベースを持ち、プロンプトを与えられ、その範囲でしか答えられない、高性能なAIエージェントのような存在です。そこには、自分で考えて柔軟に行動する余地がありませんでした。」
エンジニアリングがこれからどこへ向かうのかを考え始めた頃には、今いる場所では、もう自分が成長できなくなっていることにも気づいていました。

そんなことを考えていたとき、最初に頭に浮かんだのがジョーでした。
「ジョーと一緒に食事をしました。そのとき彼が樹林AI のことを話してくれたんです。グローバルな会社で、本当に面白いものを作っていて、AIをうまく活用できる人たちが集まっていると聞きました。それで、『ジョーを信じて、一歩踏み出してみよう』と思うようになりました。」
ただ、その場ですぐに決めたわけではありませんでした。
最終的に入社を決めるまでの約3週間、Rise がこれまで書いてきたものを、ほとんどすべて読みました。
「カルチャーがきちんと言語化されていて、深く考えられていて、しかも本物でした。書かれていることと、実際に入社して体験したことにギャップがまったくありませんでした。それは本当に珍しいことです。実際には、チーム全員が同じプレイブックを共有しているということなんです。同じ基準で動いていて、その基準がとても高い。」
マーカスは、日本のエンタープライズ市場で10年間仕事をしてきました。
業界も、文化も、商習慣も知っています。
ただ一つ、予想していなかったことがありました。
樹林AI では、エンジニアリング以外の部分でも、大きく成長することを求められたのです。
「一番大きな課題は英語でした。20年以上英語を勉強してきましたが、仕事で毎日使うのはこれが初めてでした。日本や中国以外の同僚と、異なる文化背景を持つ人たちと、本当に正しくコミュニケーションできるのか自信がありませんでした。英語が原因で、自分の言い方が失礼に聞こえてしまうこともありました。Rise はそれをその場で指摘してくれました。『その言い方は失礼に聞こえるから、もっと気をつけた方がいい』と。」
「樹林AI のコミュニケーションは、とてもシンプルで率直です。一般的な日本企業では、遠回しな言い方をすることが多いですよね。でも樹林AI では、とてもストレートです。最初は、それが英語という、もともと直接的な言語で行われるので、とても難しく感じました。でも時間が経つにつれて、今ではずっと自信を持てるようになりました。」
調整が必要だったのは、英語だけではありませんでした。
フィードバックの受け止め方も、学び直す必要がありました。
「一番多くのことを学んだのは Rise からです。(いや、お世辞じゃないですよ。)Rise は、とにかくフィードバックが早いんです。多くの会社では、自分の弱点をここまで率直に、そして具体的に指摘して、『こうした方がいい』と教えてくれる人はあまりいません。Rise は何かに気づいたら、その場ですぐに伝えます。最初は、鋭いもので突然刺されたような気分になります。でも、よく考えてみると、言われたことは全部その通りなんです。その意図が分かって慣れてくると、ああいうフィードバックこそ、自分を一番成長させてくれるものだと感じます。」
ジョーもまた、別の形で学びを与えてくれる存在でした。
「ジョーとは7、8年前にも一緒に仕事をしていました。でも、あの頃とは本当に変わりました。仕事の面でも、今はずっと信頼できる存在ですし、お客様と仕事をする中で得た知見をたくさん持っています。同期すると、毎回そうした学びを共有してくれるので、『今日も一つ賢くなったな』と感じます。」
前職で感じていた「NPC」のような感覚。
それこそが、マーカスが樹林AI で最も避けたいと思っていることです。
自分自身に対してだけではありません。
お客様に対しても同じです。
「樹林AI に入社した理由の一つは、このカルチャーに共感し、自分の働き方や性格に合っていると感じたからです。そしてもう一つは、このプロダクトの価値を信じられたからです。本当に意味のある仕事とは、このプロダクトを必要としている人や企業に届けることだと思っています。価値を届け続ければ、利益は自然についてきます。でも、最初から利益を目的にしてはいけません。まず価値を作ること。それが大切です。」
「『Beloved(愛される)』というのは、お客様がプロダクトを使う中で、『私たちは本気であなたたちの課題を解決しようとしている』と感じてもらえることだと思っています。そして、その過程でプロダクトに信頼を持っていただけることです。もちろん、今のプロダクトはまだ100%ではありません。今も磨き続けています。それでも、今の制約を受け入れながら、『きっともっと良くなる』と信じて、一緒に前へ進んでいきたいと思ってもらえたら嬉しいです。」
あるお客様との仕事で、マーカスはその価値を実感しました。
引越し会社では、毎日大量の電話がかかってきます。
担当者は最初に電話を取り、お問い合わせ番号を確認し、内容を判断して、適切な部署へ転送する。
その一件ごとに5〜10分かかり、そのためだけに一人の担当者を配置する必要がありました。
「樹林AI のAIエージェントは、一番最初に電話を受けます。お問い合わせ番号を聞き取り、自動で転送先を検索し、『担当部署へおつなぎします』と案内して転送まで行います。それだけで作業は完了です。平均対応時間は半分になり、その業務専任の担当者も不要になりました。お客様からは、『人にしかできない仕事へ集中できるようになった』と、とても喜んでいただけました。」
そのアプローチは、この10年間マーカスがずっと続けてきたものと同じでした。
業務フローを理解し、繰り返し作業だけを静かに置き換え、人が本当に価値を生み出せる仕事へ戻っていけるようにすること。
家族も、その変化を感じています。
「もちろん、忙しいのは事実です。でも実際には、以前より自分の時間が増えたと感じています。その時間は、自分のものなんです。無駄に中断されることがなくなり、本当に大事なことへ集中して、素早く動けるようになりました。家族もそれを感じています。40歳くらいになっても、毎日新しい挑戦に飛び込んでいる私を見て、喜んでくれています。」
マーカスが好きな言葉があります。
『God of War』で、クレイトスが息子アトレウスにかけた言葉です。
失敗して謝る息子に、クレイトスはこう言います。
「謝るな。もっと良くなれ。」
「できなかったことを後悔している時間があるなら、その時間を使って自分をもっと成長させた方がいい。」
日本では、「すみません」という言葉が日常のあらゆる場面で使われます。
マーカス自身も、日本の同僚と話すときには自然と口にします。
それでも、その考え方にはあまり共感していません。
「自分は弱いから仕方がない、と受け入れて謝るべきではありません。やるべきことは、自分をもっと強くすることです。」
彼は、その考え方を樹林AI で経験したすべてのことに当てはめています。
文化の違いでも、コミュニケーションの難しさでも、誤解されたことでも、自分の働き方が会社の文化と合わなかったことでも、『すみません、私はこういう人なので』で終わらせるのではなく、『次はもっと良い方法でやってみよう』と考えるようにしています。
— マーカス・ザオ、エンジニアリング
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樹林AIは、高い成果を追求する企業のためのAIエージェントを開発しています。メール、電話、メッセージングといったあらゆるビジネスコミュニケーションと、その背後にある業務フローを自動化し、人と組織を定型業務から解放。創造性と意思決定に集中できる環境を実現します。
創業から短期間で世界有数の急成長を遂げ、現在は日本、韓国、シンガポール、米国、英国、インド、マレーシア、タイ、インドネシアなど世界各地で事業を展開しています。すでに複数の大手企業に導入され、既存のツールやシステムとシームレスに連携しながら、105以上の言語で業務を遂行。深刻化する労働力不足という社会課題に応え、企業が次の成長へと踏み出すための基盤となることを目指しています。
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